私たちが水中清掃活動を行っている理由。

支笏湖は10年以上も全国でナンバーワンの水質とされてきたとても美しい湖です。

しかしながら湖底を見てみると、昭和時代のものと思われる空き缶や自動車のタイヤが沈んでいたり、古い時代の空き缶だけでなく不法投棄したと思われる電化製品やタイヤ、発泡スチロールなど無数のゴミが湖底に散乱しています。

特にその中でも問題となっているのが、湖底の木に引っ掛かったままになっている釣り糸が生態系破壊を進めていることです。魚を餌にする水鳥が水中に潜った際、この釣り糸に引っ掛かってしまい、浮上することができず水死している状況が数多く見られるのです。

[写真説明]釣り糸がくちばしにガッチリ絡まってしまい溺死してしまったようです。

このようなゴーストフィッシングと呼ばれる状況が何年も放置されていたことを物語るように、湖底には白骨化した水鳥の骨も散見されます。

白骨化した水鳥

私たちは釣りそのものを否定するつもりはまったくありません。

むしろ自然と触れ合い楽しみ、そして自然について考える意識を持つ意味ではとても有効な手段だと考えています。

ただ同時にこうしたゴーストフィッシングを放置するのも、また違うのかな…と思うのです。

もちろん、自然を愛する方々であれば、湖底に釣り糸を引っ掛けても、自然に還る素材の釣り糸を使ったり、湖底に釣り糸を沈めずにお腹を空かした魚だけを狙うなど、ゴーストフィッシングにならない配慮をしていただければ、ある程度は改善するのかもしれません。

しかし、こうした方法を100%実践することは非現実的ですし、だからといって湖底に引っ掛けた釣り糸を、釣り人自身が潜って回収するというのも非現実的でしょう。

こうした現状を改善すべく、水中清掃活動に取り組み始めた次第です。
 

活動レポート

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